磯鷲

演劇、コメディ、コント

余白【8】

みやぎ総文の審査員の佐川大輔さんがブログの中でTwitterなどで起こった講評などに対する様々な意見を踏まえた記事を書いています!

 

更新したいとは思っているのに…書こうとしては消してばかり…。

8回目の!ブログ!

 

 

みやぎ総文での東播磨と相農飯舘の上演についてです。

2校とも8月2日の上演でしたから、もう8日も経っているんですね…。

 

東播磨高等学校

・アルプススタンドのはしの方

 

舞台は野球部の県予選会場。全校応援のために球場にきた演劇部の安田と田宮、元野球部の藤野、帰宅部の宮下が登場人物です。ただこの劇の凄いところは見えない部分も想像させてくれるところです。音や目線で球場をイメージさせてくれます。「3番ショート 吉田くん」「4番ピッチャー 園田くん」、ウグイス嬢が本当に言っているようなアナウンスが実際の球場のような雰囲気を出してくれます。

5回裏の守備からスタートするのも素晴らしいです。この劇は暗転もなく、本当に5回裏からゲームセットまでを描いています。60分という上演時間では、実際の野球の試合を5回裏からゲームセットまでを描くにしては展開が早すぎるかなと思うかもしれませんが、違和感は全く感じませんでした。凄い。本当に東播磨高校の県予選を見ているのかと思ってしまうくらい。

客席の笑いの多さもとても印象に残りました。国立での上演をご覧になる人もいると思うのであまりネタバレはしませんが、ボケのかぶせ方などもとても緻密。最初の安田と田宮の会話で見ている客はほとんど笑っていたのでは?(大袈裟)それぐらいのウケの量だった気がします。少し狙いすぎなのでは?というボケもありましたが。

アルプススタンドのはしの方で少し人間関係が揺さぶられている、ただそれだけなんです。大きな変化は無いのかもしれません。それなのに幕が下りる瞬間にとてつもなく切なくて、そしてとてつもなく心が満たされたような感覚になりました。(分かりづらい)

 

2日目しか見ていないのですが、最優秀賞という結果、分かる気がします。

本当におめでとうございます…!

 

 

相馬農業高等学校飯舘校

・ーサテライト仮想劇ーいつか、その日に、

 

この劇に関しては何回かライブドアブログ時代に感想を書いてるんです。自分がいた地区の高校が全国大会に…。母校が地区大会で終わってしまっただけに最初は少し複雑な心境でした。でも高校を卒業して大学生になって、ほんの少しだけ高校演劇を俯瞰するようになると、これって凄いことなんだなぁ…と。今回の総文、相農飯舘を見ることを楽しみにしていました。

この劇は「仮想劇」という文字の通りいわゆるフィクション、実際に起こった話ではありません。想像の話です。でも実際にこんな未来が待っているのだろう…と感じるようなリアリティ。この高校が待つ未来をひしひしと思い知らされます。

どちらかというと、この劇は劇中で全ての答え、終わりが分かるというより、劇を通して見ている側に考えさせる…という感じ…?どの劇でもそういう目的を持っていて、自分がそれを感じ取れていないだけかもしれないけど。分からない…。

高校で演劇を始めて、高校演劇をそれなりには見てきましたが、「演劇じゃないと伝わらない」と1番強く感じる劇でした。この思いは演劇じゃないと伝わらない。言葉も、表情も、間も、音色も、訛りだって、全てが相馬農業高校飯舘校を伝える重要な要素になっていました。相馬農業高校飯舘校出身じゃない自分でさえ考えさせられる。本当に凄い劇。この劇に出会えて良かったです。ありがとうございました…。

 

もっと語彙力があればなぁ…。総文を見ていない人にも伝わるのに…。

 

2日目、他の高校さんも凄い見入ってしまうような、そんな劇だらけで改めて「全国ってすげぇ…」と思いました。

でもその中でも東播磨と相農飯舘が日が経っても心に残っていて、それで形に残しておこうと思いました。

 

 

 

 

 

自分の思いを馳せることができる、「余白」のある劇なのかなぁ…と思ったり…?